時間の「節約」と「贅沢」について

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お金と時間は、両方とも大切なものです。
ですが、お金を節約することと、時間を節約することは、ちょっと勝手が違うのではないかと最近考えています。


◆お金の節約、時間の節約

お金の大切さは、いまさら言うまでもありません。
日本中の誰もが財布とにらめっこし、やりくりに苦心していると思います。
私も不景気な時代しか知りませんので、節約すること・無駄遣いを減らすことが国民の3大義務の一つであるかのように教わってきました。
(居間には近所のスーパーのチラシが常設展示してあります。)


では時間に関してはどうでしょうか。
時間がお金以上に大切であることも、いまや常識扱い。
時間の貴重さを説く本は、それこそ数えきれないくらいあります。
貴重だからこそ「節約しよう!有効活用しよう!」ということになって、様々なテクニックやソフトウェアの開発につながったのだと思います。
スキマ時間の活用!
ITを使った時間管理術!
行動の合理化、効率化!
そしてトドメに、スマートフォンの普及!
いまや、日本中どこにいても膨大な情報にアクセスし、「時間を有意義に」使うことができるようになりました。
バスや電車を待っている時間も、スマホを使えば立派な知的生産の時間になります。
私もスキマ時間にネットを見ることがありますが、考えようによってはこれも時間を有効活用していることになるのかもしれません。


インターネットで調べておけば、旅行やショッピングも「効率的」なものになります。
旅行先の名所はあらかた事前にチェックできますし、無駄のない旅行計画を練ることができるでしょう。
読書についても、速読術をマスターすれば、たくさんの本を、より効率的に読めるようになるのかもしれません。

時間を節約する方法は他にもいろいろありそうですが、このあたりで疑問にぶち当たります。
「節約」の対象となった時間は、本当に無駄な時間だったのか、と。


◆無駄かどうかはその人次第?

例えば、なにもせずにぼーっとしているのは、いかにも時間の無駄遣いに思えます。しかし昨今の研究によると、なにもせずにぼーっとする時間は、メンタルヘルス上、非常に重要であることがわかっているそうです。(参考記事

旅行の楽しみ方も、人によって様々です。名所ばかりを最短ルートで巡るのがスマートとは限りません。その地域の日常を眺め、行き当たりばったりで無名のお店、無名のスポットに行くのが楽しいという方もいると思います。人によっては、道に迷ったりトラブルにあったりするのも旅行の醍醐味と考えてしまうことでしょう。

家族と外出する際、スマホを忘れたら一大事です。メールやSNSのチェックもできず、待ち時間はひたすら手持ち無沙汰になるでしょう。でもひょっとしたら、そのおかげで普段気が付かなかった家族の表情や仕草、感情に気がつくかもしれません。


このように考えると、時間の節約は、お金の節約ほど単純ではないことがわかります。大切な時間を節約するためにスマホを買ったのに、気がついたら家族との団欒の時間や、集中して物事に取り組む時間が侵食されていた、というのでは本末転倒です。


◆節約の先に何を望むのか

お金も時間も、なんのために節約しているのかをはっきり意識しておくことが大切だと思います。
お金の場合は、誰もが自分へのご褒美を意識しているのではないでしょうか。
普段は節約を心がけていても、ひと月に一度くらいは美味しいものが食べたい。ときどきはいい服を買いたい。大切な人に贈り物をして喜ばせたい。趣味を充実させて、心のエネルギーを充填したい。
そういった目的があるからこそ、日頃の節約も意味を持つのだと思います。

同様に、時間についても、「贅沢な使い方」を自分なりに考えておかないといけません。
どんな時間が、自分にとって大切なのか。
スマホで時間を節約して、自分はいったい何がしたいのか。

そこをしっかり意識しておけば、自分へのご褒美である「贅沢なひととき」を、無粋な着信音に邪魔されることもなくなると思うのです。