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センスへの投資

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◆良いものを買うか、好きなものを買うか

 

買い物をするとき、インターネットは本当に便利です。

ちょちょいと検索すれば「安くて良いもの」「顧客の評価が高いもの」が簡単に見つかります。

 

しかしその一方で、私のような優柔不断な人間にとっては、直感でいい!と思ったモノを買いにくい時代になってしまいました。

これはいい!と思っても、ネット上で他人の評価を気にしたり、もっと安くて良い物を探してしまったり・・・

私の意志が弱いせいかもしれませんが、どうしても「買い物で失敗したくない」という思いがあって、一目惚れしたものを信じてあげられず、「客観的にみてベストなもの」を買ってしまうこともしばしば。

 

より安く、より良いモノを求めるのは、消費者として普通のことだと思うので、別に恥じる必要はないのかもしれませんが、一方で「他人がなんと言おうが、割高になろうが、好きなものを買う」というスタイルの方もいますし、そういったワイルドな購入スタイルをうらやましいとも思います。

 

 

 

◆好きなものにこだわってみる

 

最近読んだ本の中に、おもしろい一節がありました。

以下引用します。

 

歯ブラシだって、もし気に入ったものがなかったら、いっそのこと買わないことにする。気に入ったものが見つかるまで歯ブラシは買わない。それくらいの心構えでいなきゃならない。

もし、自分のまわりに「好きではないけれど、便利だから使っている」というようなものがあったら、そんなものは持っていてはいけないんだ。自分の「好き」をそこまで徹底してみよう。

(杉山知之『クリエイター・スピリットとは何か?』より)

 

 

歯ブラシ1本に至るまで「好きなもの」にこだわる。

そして好きなものを知ることが「自分を知る」ことにつながり、それがクリエイターとしての原点になる、といった内容。

 

うーむ、なるほど。

好きなものにこだわる生活は、ひょっとしたらその人のオリジナリティの醸成に一役買っているのかもしれません。

好きなものを買い、それを愛用することで、磨かれる「センス」があるのでは!

 

そういえば、デザイナーのカリーヌ・レトシエさんは世界中を旅しながら、「好きな物」を買い集めていたそうです。

彼女のデザインスタイルは、工芸品や素材など、多くのものから影響を受けているとのこと。

 

立体造形家の森井ユカさんも、デザイナーとして活躍する傍ら、世界中で日用雑貨を買い集めているそうです。

 

好きなものにこだわり、身の回りに置くことが、独自のセンスを研ぎ澄ますことにつながっているのではないかと予想します。

 

 

 

◆センスなんか磨いてどうするのか

 

デザイナーの人はともかく、一般人がセンスなんか磨いてどうするのか、という意見もあるかもしれません。

ここからは私の勝手な予想ですが、これからはその「センス」こそが、個人の強力な武器になるのではないか・・・と思っています。

誰もが簡単に情報発信できるようになって、コンテンツの「消費者」と「生産者」の境界線はどんどんあいまいになりつつあります。

本を読んだり、美味しいレストランで食事をしたりする時は「消費者」。

その感想をブログに書いたら「情報の生産者」。

デジカメで撮った写真をネット上で紹介するのも立派な生産活動でしょう。

そうやって皆が生産活動を始めたとき、「センス」がある人は、自然と注目を集めるようになります。

文章一つとっても、センスのいい方の文章は、やはり光っている。

写真、動画、作曲、ウェブデザイン、ファッション、料理、キュレーションetc・・・

個人でできることはたくさんありますが、「独自のセンス」の果たす役割は、どれも非常に大きいと思います。

センスを磨けば大儲けできる、というわけではありませんが、自分の感性に従って何かを作ることで誰かに喜んでもらえる、というのは、人としてこの上もない幸福だと思います。

そのためには、自分が好きなものを知り、好きなものに対するセンサーの感度を高めなければなりません。

ブログにしろ写真にしろ、キラリと光るアウトプットをしている人は、自分の好きなもの、好きなことに対して、意識的な人ではないでしょうか。

 

 

よく吟味せず、直感で好きなものを買うのは、「消費者」としては悪手かもしれません。

割高な買い物かもしれない。

もっと安くて良い物があるかもしれない。

しかし、好きなものにこだわる人は、例え金銭的に損をすることになったとしても、その分オリジナルの「センス」が磨かれていると思うのです。

 

 

 

クリエイター・スピリットとは何か? (ちくまプリマー新書)

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