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脈々と受け継がれていくもの

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競馬は「血のスポーツ」と言われています。

強い馬の血を残し、さらに強い馬をつくりだす。

様々な配合が試され、優秀な血統だけが後世に受け継がれていきます。

 

強い血統だけが残され、結果を出せない血は淘汰されていく無情の世界ですが、おもしろいのはその「強い血統」が、国や地域によって微妙に異なっている点です。

例えばヨーロッパでは、「ノーザンダンサー系」という血統の馬が活躍する傾向がありますし、北米では「ミスタープロスペクター系」の馬の活躍が目立ちます。

日本では、サンデーサイレンスの血を引く馬たちが15年以上にわたって大暴れしています。

種牡馬の輸出入で「血の交換」はされているのですが、世界中どこでも活躍できる血、というのはなかなかありません。

気候の違い、競馬場の芝の硬さの違いなんかが影響しているのかもしれません。

「強い馬の血を残す」というシンプルな仕組みにもかかわらず、繁栄していく血脈は場所によって異なっており、その国独自の血脈が受け継がれていく点が、競馬のおもしろいところだと思います。

 

 

◆注目を集める「メジロ」の血

最近、日本である血統が注目を集めています。

それは、メジロマックイーンという馬の血。

この血統は40年以上も日本の競馬を盛り上げてきた、ファンにも馴染みの深い血統です。

大レース「天皇賞」を父子3代にわたって制するという偉業も達成。

しかしメジロマックイーン以降、後継種牡馬に恵まれず、サンデーサイレンス旋風の中、存在感がどんどん薄くなっていました。

 

 

ところが。

 

 

ここ数年、メジロマックイーンの娘にステイゴールドという馬を配合して生まれた仔が大・大・大活躍!

有馬記念宝塚記念を制したドリームジャーニー

その弟で昨年の三冠馬オルフェーヴル

今年のクラシック・皐月賞を制したゴールドシップ

大レースを勝つ馬が続出し、現在「黄金の配合」として注目を集めています。

当然、メジロマックイーンの牝馬も人気が高まり、乗馬になっていた牝馬まで繁殖に戻されるという異例のケースも。

残念ながらメジロマックイーン号は2006年に亡くなっているため、これ以上仔を残すことはできませんが、それでも長い間日本の競馬を見てきたファンにとって、「メジロの血の爆発」は感慨深いものがあると思います。

 

 

◆多様であることの素晴らしさ

その国、その地域において、長年育まれてきた独自のものがある、というのは、やはりいいものだなと思います。

メジロマックイーンの例は、あくまで特殊なケース、例外中の例外なのかもしれません。

しかし、忘れ去られようとしていたものが、何かのきっかけで再び脚光を浴びるということは、他の分野でも結構ありうることだと思います。

その意味で、ものごとは十分に多様であってほしい。

グローバル化が進み、一部の勝者によって世界が一気に染め上げられるのが当たり前になってしまいましたが、細々とでもいいから、地域独自のもの、長年育まれてきたものが残っていってほしいと思います。

ビジネスの世界や競馬の世界は、結果が全て。

そんな甘い考えは通らないでしょう。

しかし文化や伝統は、その地域の人が残したいと思えば、残せるはずですから。

 

 

 

前述の三冠馬オルフェーヴル号は、今年の10月、世界最高のレース『凱旋門賞』に挑みます。

世界中に「メジロマックイーン」の名が轟くことになるかもしれません。

 

頑張れ!オルフェーヴル

 
 
 
 
 
 
(追記)
凱旋門賞の結果、オルフェーヴルは首差の2着でした・・・。
惜しかった。本当に惜しかった。
 
敗れはしましたが、その堂々とした走りっぷりは、関係者と多くの競馬ファンに感動を与えてくれました。
フランス最大の競馬専門誌パリチュルフは、
『大外18番枠、欧州の馬場など不利な条件はあったが、それでもオルフェは強かった。スペクタクルなレースを見せてくれてありがとう』
と、その走りを称えたそうです。
 
お疲れさま、オルフェーヴル