身震いするほど面白かったミステリー、6作品

 

魍魎の匣 (京極夏彦 著)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

「今まで読んだ中で最高のミステリーは?」と問われれば、私はこの作品を挙げます。

おもしろい。とにかくおもしろい。

文字通り身震いし、めまいを覚え、クライマックスでは叫びたくなる。

いろいろな意味で圧倒的な作品です。

 

「なんじゃこりゃあ」というほど分厚いので、敬遠されている方もいるかもしれません。

が、しかし!

いったん読みだすと、この本の厚みは、そのまま幸福感に変わりました。

「ああ、まだこんなに、この物語を楽しむことができるんだ・・・」と。

私は読むのを止めることができず、そのまま徹夜してしまいました。

そして次の日、大学を休みました。(社会人になる前でよかった・・・)

 

さらに恐ろしいことに、続編の狂骨の夢鉄鼠の檻『絡新婦の理』はいずれも劣らぬ名作なのです・・・。

どれも徹夜級。

シリーズ1作目『姑獲鳥の夏』は、個人的にはピンとこなかったのですが、2作目の本作からがヤバかった。

仕事が忙しいサラリーマンや、試験期間中の学生さんは手を出さないほうがいいのでは・・・、と余計なことを考えてしまうほど面白い、この京極堂シリーズ。

未読の方は是非。

 

 

◆斜め屋敷の犯罪 (島田荘司 著)

斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

一度読んだら忘れられない、傑作ミステリー。

鮮やかすぎて、自軍の守備陣を正面突破されるような、ある種の清々しさすら感じました。

ブラボー!おお、ブラボー!です。

 

「斜めに傾けて建てられた洋館」という舞台も独創的ですが、綿密に計算されたプロットと、破天荒なキャラクターの魅力が相まって、読者の睡眠時間を削り取る恐ろしい作品に・・・。

読んでいる間、ワクテカしっぱなしで、ページを繰る手が止まりませんでした。

 

私は島田荘司氏のミステリーが大好きで、心に残っている作品がいくつもあります。

占星術殺人事件』で、イスから転げ落ちるほど仰天し、

『異邦の騎士』でむせび泣き、

暗闇坂の人喰いの木』で震え上がりました。

どれも超弩級の傑作ですが、悩みに悩んだ結果、個人的な好みから、この『斜め屋敷の犯罪』を挙げることにします。

あの最高にわかりやすい挿絵に乾杯!

 

 

容疑者Xの献身 (東野圭吾 著)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

実は私、東野圭吾氏の小説を、それまであまり読んだことがありませんでした。

本作品が「このミステリーがすごい!2006」などのミステリーランキングを総ナメにし、直木賞までとって、ようやく

「ふーん、そんなにおもしろいなら、いっちょ読んでみるかな。」

と、『ガリレオ』シリーズを読み始めたのでした・・・。

探偵ガリレオ』、『予知夢』と順番に読んで、シリーズ3作目の本作品。

この『容疑者Xの献身』で、私は世間からかなり遅れて、電撃に打たれました。

「これが、これが東野圭吾ミステリーかッ!!!」と。

めちゃくちゃ有名な作品ですので、今さら言うまでもありませんが、やっぱりおもしろいです。

その後読んだ『白夜行』も素晴らしかったので、どちらを挙げようか悩みましたが、電撃に打たれた経験が強烈だったため、こちらにしました。

 

この作品の真の恐ろしさは、ミステリーとしてのトリックにあるのではなく(トリックも十分に震撼モノですが)、ストーリーや、キャラクターの心理、物語の構成といった、全て要素の「絡みあい方」。

トニオ・トラサルディーさんの料理ではありませんが、「食材が凄い、だが料理の腕がもっと凄い」的な感動が、本作品にはあると思います。

「直木賞」は伊達じゃない・・・。

 

 

◆七回死んだ男 (西澤保彦 著)

七回死んだ男 (講談社文庫)

七回死んだ男 (講談社文庫)

不思議な体質の少年が主人公のミステリー。

「超能力?いやいや、そういうミステリーは興味ないよ」

・・・と、私はSF設定の混じったミステリーを、半ば脊髄反射的に避けてきました。

しかし、この『七回死んだ男』を読んで、完全にKO。

これは「SFとミステリーの融合」というレベルを超えています・・・。

斬新な舞台設定。

その中で発生する事件。

そして、特殊な設定を最大限に生かした、驚くべき展開!

 

著者・西澤保彦氏の想像力・構成力に圧倒され、ぐいぐい物語に引きこまれます。

ミステリーの無限の可能性を感じさせてくれる、すばらしき名作。

重々しいタイトルと、重々しい表紙のため、とっつきにくい印象を受けますが、文章はコメディタッチで非常に読みやすかったです。

 

 

◆クリムゾンの迷宮 (貴志祐介 著)

「それはミステリーじゃないだろう」という声もあるかもしれません。

が、あんまり面白かったので、挙げてしまいました。

「身震いするほど面白い」という形容がピッタリの小説。

ハラハラドキドキ系の映画・小説が好きな方なら、絶対に楽しめます。

 

物語の場面場面が、ありありと瞼の裏に映し出される、圧倒的な描写。

映像はおろか、音さえも伝わってくるかのよう・・・。

そして、主人公の不安や恐怖も―――。

 

あっという間に物語に引きずり込まれます。

翌日が休みの方以外は、読み出さないほうがいいかもしれません。

 

角川ホラー文庫」から出ているだけあって、猟奇的な記述があります。苦手な方はご注意を。

 

 

すべてがFになる (森博嗣 著)

すベてがFになる (講談社文庫)

すベてがFになる (講談社文庫)

私がミステリーに没頭するきっかけとなった作品。

まだ学生でしたが、あまりの面白さに徹夜してしまったのを覚えています。

舞台が研究所、登場人物も大半が研究者・・・ということで、独特の雰囲気に満ちており、その雰囲気、世界観が大好きでした。

 

当時、私はガチガチの石頭で、「虚学は実社会では役に立たない。役に立たないから、学んでも意味が無い。」などと真剣に考えていました。

この本に登場する研究者の言葉(=当時、大学の先生だった著者の言葉)は、研究や学びに対する楽しさにあふれていて、「楽しければ、無駄ではない」というメッセージが、学生だった私の心にたいへん響きました。

私を偏った思い込みから解放してくれた、恩人ともいえる一冊です。

 

「虚学への扉」と「ミステリーへの扉」。

2つの素晴らしき世界への扉を開けてくれた本作品を、私は一生忘れないでしょう。

 

 

◆最後に

絞り込むのは、予想以上に悩ましい作業でした。

『火車』宮部みゆき 著)や十角館の殺人綾辻行人 著)、クドリャフカの順番米澤穂信 著)なんかも挙げたかったです。

どれもメチャクチャ面白かった・・・。

これからもどんどんミステリーを読みたいと思っています。

(もう社会人なので、「面白すぎる」のにあたるとヤバいことになりますが・・・)