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「作品」としてのゲーム。「サービス」としてのゲーム。

ゲーム

小学校入学前からファミコンにどっぷり浸かっていた私にとって、ゲームソフトは一つ一つが「作品」という感覚でした。

ゲームクリエイターの方々が精魂込めて作り上げた「作品」。

しかし最近では、ゲームは「作品」というよりも、「サービス」として創り出されるケースが増えているようです。

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シミュレーションゲームの題材

ゲーム

前回のエントリーでは、「デジタルゲームのほとんどはシミュレーションゲーム」という考え方について書いた。

楽しいことを疑似体験するゲーム=シミュレーションゲームと考え、以下のような概念図を用いて考察を試みた。

 

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 今回はこの概念図のうち、「何を疑似体験するのか」というゲームの題材選びの視点について、いくつか掘り下げて考えてみたいと思う。

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疑似体験としてのゲーム

ゲーム

前回のエントリーで「ルールと世界観の比率」に注目したゲームの分類軸について考えてみた。

今回はその続きとして、世界観・臨場感に重きを置いたゲーム(軸の左側)について、もう少し掘り下げて考えてみようと思う。

 

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◆ゲームのほとんどはシミュレーション

テトリスやグンペイなどの一部のゲームを除くと、デジタルゲームのほとんどは、なんらかの世界観(テーマ)を持っている。

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ゲームにおける「ルールと世界観の比率」

ゲーム

ゲームの分類にはいろいろな手法があるが、ゲームのもつ「ルール」と「世界観」の比率に注目した分類軸について考えてみた。

 

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◆軸の右側:ルール重視のゲーム

軸の右端は「ルール:1、世界観:0(ほぼゼロ)」のゲームである。

三目並べやオセロ、囲碁、チェス、将棋、ダイヤモンドゲームなどが該当すると思う。

ゲームには特定の世界観(テーマ)が含まれず、ルールの秀逸さが全てを決める。

ゲームの舞台は極限まで抽象化・記号化されており、「ルールのみが骨組みとして残った」と言ってもいいゲーム群。

ゲームのジャンルとして「アブストラクトゲーム」というものがあるが、その多くがこの軸上では右側に来ると思う。

アブストラクトゲームの定義では「偶然が関与しない」「ゲーム内の全ての情報が公開されている」など、いろいろと条件があり、解釈によってはチェスや将棋を含まないケースもある。ここではその定義には踏み込まず、世界観(テーマ)の有無のみに注目して考えている。)

 

デジタルゲームでは「テトリス」や「グンペイ」、「I.Q」なんかが該当するだろうか。

 

 

◆軸の左側:世界観、臨場感が大切なゲーム

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軸の左側は、「ルール:1、世界観:X」のゲーム。

ルールがあるのはもちろんだが、世界観がゲームの質の大部分を占めるゲームである。

「世界観が大部分を占める」というのは奇妙な表現だが、より正確に言うと「ルールよりも『没入して楽しめる舞台設定』がそのゲームの魅力の大部分を占めているゲーム」となる。

ファイナルファンタジーコールオブデューティなんかをイメージしてもらうといいだろう。

何らかの物語が展開していくゲームや、特定の状況をシミュレートするゲームにおいては、臨場感を出すための舞台設定、雰囲気作りが大切なのは言うまでもない。

美しいグラフィックも迫力のサウンドも、この臨場感を高めるためのものだと言っても過言ではないと思う。

 

例として、中世ヨーロッパを舞台にしたアクションRPGを考えてみよう。

ゲームの背景は当然中世ヨーロッパらしい雰囲気を出すことが求められる。空と地面の境界線がわかればよい、というわけにはいかない。

主人公の持つ武器も、剣なのか杖なのか、はたまた棒切れなのか、一見して判別できることが望ましい。

敵キャラもゲームの雰囲気にあった造形が必要だ。プレイヤー側は白色、敵キャラは黒色にしておけばOKというわけにはいかないし、ましてや「敵兵」と大きく書かれた物体が出てきたらゲームが台無しになるだろう。

 

このように、世界観(テーマや雰囲気)がゲームの魅力の一部となっている場合、そこを抽象化・記号化するわけにはいかないということはお分かりいただけると思う。

一定以上のグラフィックやサウンドで、その世界をゲーム上に構築し、臨場感を出すことが、そのゲームを楽しむ上での大前提となる。

 

こういったゲーム群を、ゲームデザイナーの作り上げた世界の中で特定の楽しみを疑似体験するという意味で、広義のシミュレーションゲームと考えたい。

 

 

 ◆軸の真ん中:ルールを世界観で盛り上げるゲーム

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軸の真ん中付近のゲームは、「ルール:1、世界観:だいたい1」の比率。

ルールの面白さを、それにマッチした世界観でさらに盛り上げているゲームである。

「人生ゲーム」や「モノポリー」、「カタンの開拓者たち」といったボードゲームの多くがここに位置する。

デジタルゲームならインベーダーゲームマインスイーパパックマンボンバーマン等が該当するだろうか。

プレイヤーの行動や迫り来る敵など、ルールによって生じるゲーム上の現象を、何かに「見立てている」ゲームとも言える。

 

このゲーム群は、それぞれルールに特色があり、しかも世界観とうまく融合させて相乗効果を図っている作品が多い。

ボンバーマン」や「桃太郎電鉄」は、ルールと世界観のバランスが絶妙にマッチした作品であり、グラフィックをリアルにすればするほど良くなるという類いのゲームではない。

かといってキャラクターや世界観を取り除いてルールだけにしてしまうと、その魅力は大きく損なわれてしまうだろう。

 

このカテゴリーのゲームは、ルールと世界観がうまくバランスをとっているゲームと言える。

 

 

 ◆分類した結果:デジタルゲームのほとんどはシミュレーションゲーム

ここまで「ルールと世界観の比率」軸について考えてきたが、有名なゲームをざっくりとプロットすると以下のようになった。

 

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軸の右側には、いわゆる「アブストラクトゲーム」やパズルゲームが並ぶ。

真ん中付近にはボードゲームやパズルゲームが多い。

 

そして昨今のデジタルゲームは、ほとんどが軸の左側にくる。

デジタルゲームの進化とはシミュレーション機能の進化なのか、と思う程である。

また据置型ハードの進化は、この軸を左へ左へと伸ばす方向に進んできたことがわかる。

処理できる情報量が飛躍的に向上したことで、ゲームの世界観をより詳細に構築することが可能になり、疑似体験の幅を広げることにつながった。

 

誤解のないように述べておくが、この軸は「どの領域が優れているか」を示すものではない。

この軸は、あくまで「そのゲームの魅力がルール・世界観のどちらに軸足を置いているか」を模式的に表したものである。

囲碁や将棋は無限の奥深さをもっているし、ボードゲームと3Dアクションゲームの面白さを単純比較できないことはお分かりいただけると思う。

 

「新しいゲーム」「これからのゲーム」と聞いたとき、無意識に軸の左端をイメージしてしまうのは、筆者がファミコン世代だからだろうか。

ボードゲームが盛んなドイツの若者なら、軸の真ん中〜右側のゲームをイメージするかもしれない。

そして急速に普及が進むスマートフォンやタブレット端末には、軸の左端(迫真の疑似体験)よりもむしろ真ん中~右側(斬新なルール+世界観)のゲームの方が明らかに向いているのである。

 

新しいゲームとはこの軸の左端だけを意味するわけではない。軸の真ん中〜右側においても、斬新な日本発ゲームの登場を期待したいところである。